音田正光ドクター

状態が生涯キープでき、拒否反応もナシ。
優れた自毛植毛を広く伝えていきたい。
薄毛治療の現状についてのお考えを教えてください。
多くの方が薄毛対策として発想するのは、育毛剤や養毛剤、マッサージサロンではないでしょうか。また、今では薄毛に効くお薬も何種類かありますが、現状を維持するレベルです。このように、これらの方法で元の状態のようになるかといえば、なかなかそうはいきません。他にかつらもありますが、どうしても不自然さが出てしまいますし、付けることに抵抗を感じる方もいます。

薄毛に悩み、いろいろ試している方もいらっしゃるでしょうが、「思っているような効果が得られず、どうしたらいいか分からない」という方が多いのが現状ではないでしょうか。そのような方に最適なのが自毛植毛ですが、残念ながらまだまだ認知度が低いと言わざるを得ません。それだけに、積極的に良さを伝えていきたいですね。
自毛植毛について教えてください。そもそもどのような治療なのですか?

医療によって薄毛を解消する治療法のひとつで、薄毛が目立つところにご自身の髪の毛を移植してカバー・再生する手術です。現在私が行っているのは、メスを使わずに高密度で移植するデンスパッキングという方法です。

手術は大きく3つのステップからなります。第1ステップで、小さなパンチのような器具で後頭部からポンポンポンと毛穴ごと髪の毛を取っていき、第2ステップでは移植したい場所に専用器具で新しい毛穴をつくっていきます。そして、田植えのようにその毛穴に髪の毛を植えていくのが第3ステップです。

移植した部分に新しい髪の毛が根付いて再生するので、一度行えば生涯その状態がキープでき、自分の髪ですから拒否反応もみられないのが利点です。

自毛というだけあって、自分の髪の毛を使用するわけですね。
はい。よく「弟の髪の毛はどうか?」などと聞かれますが(笑)、残念ながらそれではダメなのです。また、植毛には人工毛というナイロン製の毛を使うものもありますが、異物なのでなかなか根付きません。どんどん抜けてしまって、その度に植毛を繰り返すことで頭皮がダメージを受け、その後なにもできなくなってしまうことが多いようです。

認知度が低いとのことですが、自毛植毛は新しい技術なのですか?

植毛自体は90年くらい前からあります。もともと日本人医師が考えたものですが日本ではあまり進歩せず、アメリカやヨーロッパで発展しました。

以前は、指の幅くらいで20?30センチを帯状にメスで切り取り、細かく刻んで植える方法が主流でしたが、髪の毛は生えるものの、切除した部分の傷が目立ち、移植部も自然な仕上がりにならないことから、毛穴単位で細かく植える方法へと発展してきました。それが10年?15年前くらいのことで、より手術の手法が進化したのはこの5、6年ですね。
世界的に例を見ない植毛密度と手術の速さを誇る
独自の「MIRAI法」。
先生が行っている自毛植毛の特徴を教えてください。
自毛植毛は素晴らしい治療法ですが、やはり限界があり、正直100%元の状態には戻せません。では、どれくらい戻せるのか? ということですが、これは、どれだけの数を植えるか、言い替えれば、密度を濃くしていくかにかかっています。その点に関しては、日本一といえるくらい植えられると自負しています。一般的には1センチ四方に約50グラフト植えますが、私の「MIRAI法」は平均80?90グラフトは植えられ、過去には100個くらい植えたこともあります。この密度の濃さが第一の特徴です。

また、自毛植毛は移植手術なので、心臓移植などと同じように手術時間を短くすることによって結果が良くなりますから、いかに条件を保ちつつ、速く行うかが問われます。後頭部から髪の毛を取ってくる作業では、手慣れた医師で1時間あたり600?800個が世界平均ですが、私自身は平均で1600個くらいでしょうか。このスピードも特徴といえます。

これらを可能にするのは私の力だけでなく、スタッフの力もあります。自毛移植はチーム医療ですから、医者もスタッフもベストの状態にあって、はじめて最高の結果が出せると考えています。
植毛の仕上がりという点ではデザイン性も必要だと思うのですが。

そうですね。ご自身の髪の毛を使うので、当然、資源は無限ではありません。場合によっては薄い部分へ均等に植えられないこともあります。限られた資源で最大の効果を出すためには、どのような形で植えていくかが重要です。私も「前のほうだけしっかり植えましょう」「分け目の表面だけ植えましょう」というように、ある程度作為を入れて植えていきます。そういう意味では、究極のアートといえるかも知れませんね。

また、移植する際に大切なのが、手術時に自然かつ最大の効果を出すだけでなく、患者さまが将来的にどのような人生を送るかまで考えることです。とくに若い方の場合は一生の問題になりますから、デリカシーをもって手術にあたっています。
プロとして治療内容をしっかり取捨選択し、
良い治療だけを提供するクリニックを目指して。
先生が自毛移植を手掛けることになったきっかけを教えてください。
大学を卒業して10数年消化器・内分泌外科医をし、その後、大学院で分子生物学などの基礎研究をしていました。ある時、ふと「もう一度現場でやってみよう」「もう一度メスをとってみたい」と思ったのがきっかけです。年齢的なこともあり、大きい手術を手掛けるよりも…と周りを見渡した時にたまたま植毛というフィールドが目に入りました。先ほどもお話した通り、当時は後頭部を大きく切って髪の毛を取る手術が主流でしたから、今以上に外科的な要素が強かったわけです。そこから手術を重ねるごとにどんどんおもしろさが増していき、現在に至っています。きっと性に合っていたのでしょうね。

薄毛はデリケートなお悩みのひとつだと思いますが、患者さまと向き合う際に心掛けていることはありますか?

患者さまは病院に来るだけでも勇気がいります。そういう方々に対して優しく接したいと常々思っています。「患者さんに優しくしなさい」というのが母の遺言でもあるので、これからもそのモットーは大切にしていきたいと思っています。医者と患者さまというよりも、人として当然のことですよね。
医師として、どのような時に喜びを感じますか?
自毛植毛の手術は、すぐに結果が出るものではありません。手術が終わって、髪が伸びて、半年?1年後にしっかり定着したかどうかの結果が出ます。その時に「もう少し上の部分までやりたいのでお願いします」などと言ってもらえると、「信頼されているんだな」と思えて嬉しいですね。“医者冥利に尽きる”と感じる瞬間です。

10月に開院される「親和クリニック新宿(トータルヘアサイエンスクリニック)」ですが、どのようなクリニックにしたいと考えていますか?

エビデンスがしっかりしている医療を提供して、確実な結果を出すことを第一に考えています。髪の毛を生やすめにはいろいろなトライアルがありますが、「これは信頼できる」「これはダメだ」というようにプロとして取捨選択し、良いものだけを患者さまに提供していきます。私は大学院で研究していたこともあり、やはりサイエンスは大事だと思っています。手術は職人技という面もありますが、そこにサイエンスをプラスしたクリニックをつくっていきたいですね。

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